2015年3月 1日 (日)

●旧約聖書・出エジプト記をモチーフにした映画『十戒』について!!

◎映画『十戒』…1956年米/監督:セシル・B・デミル/主演:チャールトン・へストン他…◎映画『十戒』より~/預言者モーゼを演じるチャールトン・へストン。クライマックスシーンの紅海が割れる有名なシーン。
†『十戒(The Ten Commandments,1959年米)』
・歴史映画であり、「旧約聖書」の「出エジプト記」を原作制作されたスペクタクル史劇大作。70ミリカメラは当時は珍しくはじめての撮影であり、制作,監督はセシル・B・デミルで最後の映画作品となる。出演はチャールトン・へストン,ユル・ブリンナーほか。「旧約聖書」に書かれている預言者モーゼがエジプトの奴隷階級にあるユダヤの民を引き連れエジプトを脱出。紅海が割れ、その中をモーゼなど出エジプト(ユダヤ,ヘブライ人)の民が海の中を進めクライマックスシーンは見る者を魅了する。
◎ストーリー…ヘブライ人がエジプトの奴隷とされていた時代、一人のヘブライ人の男の子が生まれる。ファラオは救世主の誕生を恐れた為、ヘブライ人の男の幼児をすべて殺すように命令する。難を逃れる為、その子は籠に入れられ、ナイル川に流されたが、沐浴していたエジプトの王女べシアに拾われる。べシアはその子をモーゼと名付け、自分の子として育てる。モーゼは武運に優れ知恵のある立派な青年に育ち、王からもその優秀さを認められつつあった。だが王子のラメセスに出生の秘密を知られ砂漠に追放される。放浪の末に彼はシナイ山の麓にたどり着き、そこで羊飼い達に救われた。彼は族長のジェスロから仲間として認められ、7人姉妹の長女・セファラを妻として新たな生活を始める。そんなある日、ヨシュアが尋ねてきてエジプトに戻り民に自由を与えて欲しいと語る。そしてモーゼは山の頂に不思議な光を見た。山を登っていくと彼は光の中から神の声を聴く。モーゼは、汝はヘブライ人をエジプトより導き出すように神からの啓示を受けた。モーゼはエジプトに戻り、王となっていたラメセスとネフテリの前に現れてヘブライ人を解放するように求めるが、認めようとしない。モーゼは神から十の災いがエジプトを襲うと警告し、その言葉通り国土は次々に災禍に襲われ、ラメセスは頑なとして首を縦に振らなかった。しかし最後の災い家の玄関の柱の門に子羊の血を塗らない家は人と家畜のすべての初子を殺す。玄関に血が塗られている家だけは過ぎこして行く(過ぎ越し祭の原典)。やがてエジプト全土に広がり、ラメセスの息子までもが死の淵に立たされる。遂にヘブライ人は出て行くがよいとラメセスは言った。翌朝、ヨシュアに導かれて大勢のヘブライ人達がモーゼの前に集まり、共にエジプトを旅立つ。しかしラメセスの息子が死に、愛する我が子を失ったラメセスは、エジプト軍を引き連れて攻撃に出て、紅海の手前までヘブライ人達を追い詰める。しかしモーゼが神に祈ると、神は火の柱でラメセスの軍の進攻を妨げ、その後紅海を二つに割り、エジプトを出たヘブライ人達をその海の中に出来た廻廊を歩かせて対岸まで逃れさせた。暫くして火の柱が消え、道が開けたエジプト軍がヘブライ人を追って、紅海の中に出来た廻廊を進むと、モーゼは再び神に祈りを捧げ、今度は廻廊が海に戻り、あっと言う間にそこは海の中となってラメセスの軍は彼だけを残して波間に消えていった。ラメセスはネフテリのもとに戻り、彼の神こそ真実の神だと語る。その後、モーゼは四十日間シナイ山に籠り、やがて光は岩に人間が犯してはならない十の戒めを刻んでいって、そしてその十戒を神から授かった。一方その間にヘブライ人達は神に対する信仰を忘れ、金の子牛に対する偶像崇拝を始めて享楽に耽っていた。山を下りてその有様を見たモーゼは神の怒りを知れと、その十戒を刻んだ石板を金の子牛像に投げ入れると大地が割れ火が燃え盛り、罪深き人々はその割れた大地の間に落ちていった。神は怒り、ヘブライ人に罰を与え、彼らを四十年に渡って荒野をさまよわせた。やがてヨルダン河のほとりのネボの山麓にたどり着いた。ここでモーゼはヨシュアを後継者として杖を与え、妻セファラに別れを告げヨルダン河と約束の他カナンを目指す彼らを後にして、神の前に行くべくただ一人ネボの山を登っていった。……*一部ウィキペディア引用
◎『十戒』の刻印の内容…
モーゼは山頂で神の言葉をまった。「主よ!民をここへ導き、主の戒律をさずけよう。…どうぞ、お言葉を…」すると、雷鳥とともにあらゆる場所から光が集まり、火柱が宙に浮かんだ。神はモーゼの立つ岩に向けて火を放った。「十戒」を刻印したのである。
一、我は汝の神ヤーウェ、汝をエジプトから導いた者、我の外何ものも神とするなかれ
二、汝自らの為に偶像を作って拝み仕えるなかれ
三、汝の神ヤーウェの名をみだりに唱えるなかれ
四、安息日をおぼえてこれを聖くせよ
五、汝の父母を敬え
六、汝殺すなかれ
七、汝姦淫するなかれ
八、汝盗むなかれ
九、汝隣人に対して偽りの証をするなかれ
十、汝隣人の家に欲を出すなかれ
★次回は、リドリー・スコット監督作品・映画『エクソダス―神と王』について~!

2014年10月18日 (土)

●聖フランチェスコ大聖堂…!!

◎聖フランチェスコ大聖堂の上堂内部。両側の壁にジョットによる聖フランチェスコの生涯を描いたフレスコ画がある。天井の、蒼穹を模した青い色彩が鮮烈である。◎聖フランチェスコ大聖堂の外観。この地で産出する石材が薄いピンク色であるため、建物も同様の色だ。アッシジの旧市街は民家も同様の石材でつくられている
◎聖フランチェスコの生涯…昇天して、天の軍勢に魂を迎えられた聖フランチェスコ◎「スチュワーデス物語-第22回[さようなら]」より…ローマで待つ新藤真理子(片平なぎさ)と挙式をする予定だった村沢(風間杜夫)は、挙式する教会の絵を見ているうちに、「愛からは何でもうまれるが、憎しみからは何も生まれない」ということに気付き結婚の撤回を願い出る場面。
◎聖フランチェスコ大聖堂-[巡礼地に建つ、アッシジの聖人を祀る大聖堂]
・アッシジの聖フランチェスコは12~13世紀の聖人で、「もうひとりのキリスト」と呼ばれるほどの、聖者のなかの聖者である。若い頃は放埒(ほうらつ)な青年であったが、戦争で捕虜となり、大病を患うという苦難を機に宗教的回心を体験、福音書に記されたイエスの生き方を模範として、祈りと奉仕の生涯を送ることを決意する。1209年頃、ローマで教皇インノケンティウス3世から修道会の認可を受けて発足させたのが「フランチェスコ会 」である。これは修道士が托鉢のみを糧として、極貧のうちに手仕事で生計を立てつつキリストの福音を説いて各地を巡るという、文字どおりの「托鉢修道会」であった。彼の生誕地であるアッシジは、イタリア中部のスパジオ山の斜面にあり、古代ローマの時代から栄えた街だが、現在はこの聖人の遺体を安置した聖フランチェスコ大聖堂を擁するイタリア屈指の巡礼地として知られている。大聖堂は1228年から25年の歳月をかけて建立された。山の斜面に建てられているため、上下2段からなる独特の構造を採用している。上堂がゴシック様式、下堂がロマネスク様式という祈衷式だ。上堂には、ジョットの手になる聖フランチェスコの生涯を描いた28枚のフレスコ画がある。特に《小鳥に話しかける聖フランチェスコ》は、広く知られている作品だ。
《平和を求める祈り》……[アッシジの聖フランチェスコのつくった平和祈願の祈り]
主よ 私をあなたの平和の道具としてお使い下さい
憎しみのあるところに愛を
いさかいのあるところにゆるしを
分裂のあるところに一致を
疑惑のあるところに信仰を
誤っているところに真理を
絶望のあるところに希望を
闇に光りを
悲しみのあるところによろこびをもたらすものとして下さい
慰められるよりは慰めることを
理解されるよりは理解することを
愛されるよりは愛することを
わたしが求めますように
わたしたちは与えるから受け
ゆるすからゆるされ
自分を捨てて死に
永遠の命をいただくのですから
アーメン

2014年10月17日 (金)

●聖フランチェスコ(大聖堂)・ジョットがいなければあの名作「スチュワーデス物語」は存在しなかった!…

「スチュワーデス物語」…1983年10月~1984年3月迄TBSで火曜日(20:00~20:54)放送。計22回(+総集編)/出演:堀ちえみ,風間杜夫,片平なぎさほか「磔刑」…ジョット・ディ・ボントーネ/1304~1306年頃-ルネサンスの先駆けとなったジョットの壁画。
「聖フランチェスコ」…壊れかけた教会の祭壇に置かれたキリストの磔刑像にひざまつく聖フランチェスコ「小鳥に話しかける聖フランチェスコ」
★名作ドラマにはいつまでも心に残る思い出の場面(シーン)やメッセージ(セリフ)、主題歌などがあります。又アイテムやロケ地だったり。ドラマには「聖画」や「聖具(アイテム)」、教会や大聖堂といった建物も数多くあり、キリスト教(聖書)的なセリフや主題歌などがちりばめられていて数多く存在します。今回ご紹介したい名作ドラマは今から約30年前にTBS系で放送された大映ドラマ「スチュワーデス物語」です。
◎「スチュワーデス物語」は1983年10月~1984年3月までTBS系で放送されました。物語はJAL日本航空のスチュワーデス訓練生を描いたもの。主役の堀ちえみ演じる役柄松本千秋は「ドジでのろまなカメ!」というスチュワーデス訓練生の設定。スチュワーデス訓練生の松本千秋(堀ちえみ)は日本航空のパイロットだった父を持ち高校卒業後にスチュワーデス採用試験を受験し訓練生になるというところからスタートします。スチュワーデス物語の中では落ちこぼれ訓練生の松本千秋が、3ヶ月に渡る厳しい訓練を受けて一人前のスチュワーデスとして成長する過程を描く。スチュワーデス訓練の中で村沢教官(風間杜夫)との恋愛や元婚約者、継父による嫌がらせ、同じ訓練生「くれない寮」に住む訓練仲間とのふれあい、友情など。日本航空全面協力のもと計22回(+総集編)の放送。ロケ地は国内だけでなく、海外の日本航空の就航地でも行なわれ、羽田空港のスチュワーデス訓練センター、成田空港のオペレーションセンター、海外はイタリア、フランスなどのロケ地がスチュワーデス物語を更に盛り上げました。
◎「スチュワーデス物語-第22回-[さようなら]…スチュワーデス物語の最終回。この最終回でイタリアの有名な聖地であるアッシジがロケ地として登場します。イタリア-アッシジといえばかの有名な聖人「聖フランチェスコ」。ドラマでは聖フランチェスコ大聖堂に描かれたジョット作の聖フランチェスコや磔刑像のキリストの聖画が出てきます。[あらすじ]…イタリア・スポレート。村沢浩はBMWの乗用車を運転し、真理子の待つサンフランチェスコ大聖堂へ。
真理子:「浩。約束通りアッシジ入りしたのね!さすがにあたしを殺すことはできないみたい。」浩:「結婚式の前にどうしても見たいものがある。ジョットの絵だ!」*大聖堂の入り口へ入り天井を見上げる浩。少しずつ進みながらまずキリストの磔刑の聖画。周りに天使と聖人がキリストの磔刑に足元にひれ伏した状態の聖画が現れる。次に小さい祭壇のキリスト磔刑像にひざまつく聖フランチェスコの聖画。最後は小鳥と話しをする聖フランチェスコの聖画。浩:「絵に描かれたキリストやサンフランチェスコの一生を見ているとはっきりと分かるね。人間にとって一番大事なものは愛!愛だって事が。」
真理子:「それがどうしたって言うの!私達と何の関係があるって言うの!」 浩:俺達は愛し合っていない。愛し合っていない二人がこんな美しい教会で結婚していいのか?…俺には出来ない。とてもそんな気になれないよ。真理子:「浩。今更何を言うの。あたしはウェディングドレスを着てるのよ!この格好のまま死ねって言うの!」
浩:真理子、この両手をスキー事故で奪ったのは俺だ。その罪は一生かけて償う。しかし、結婚だけは出来ない。愛し合っていない二人が一緒に暮らしたってただ憎しみあうだけだ。絶対幸せにはなれないからな! 真理子:そんな事初めからわかっていたわ。結婚式の前になって言いだすなんてあなたも卑怯な男ね。許せない。
浩:殴って気がすむならいくらでも殴ってくれ。 真理子:ええ!殴ってやるわ。あなたなんか殺してやりたいほど憎いし。それにあたしの手金属製の義手よ。いくらあなたを殴ったって少しも痛くないわ。 浩:真理子。愛!愛からは何でもうまれる。しかし、憎しみ!憎しみからは何もうまれないぞ。何も!…真理子、どうしてやめた!
真理子:疲れたのよ。あなたを憎む事に。いくら憎んだってこの手は戻らないしただ疲れるだけ。六年間もあなたを憎み続けて来てもうヘトヘトに疲れたのよ。 浩:真理子。
真理子:あたしってバカね。我ながら愛想がつきたわ。そのうえ、松本千秋はあなたと結婚しないって言うし、あの子からあなたを取り上げる楽しみもなくなっちゃった。あたし何だか気が抜けてがっくりよ!もうあなたを追いかける理由は何もない。浩、あなたを解放してあげる。好きなように生きていったら。あたしも一人で好きなように生きていくから。 浩:真理子。
真理子:さわらないで!新藤真理子はね、一人で生きていくと言ったら一人で生きて生ける女なの。誰の情けも助けもいらない。自分の力で新しい楽しい人生を見つけてやるわ。
…ここまでがイタリア・アッシジのロケ地場面になるが、一瞬「スチュワーデス物語」を忘れて別のドキュメンタリーや世界遺産のようなドラマを見ているような神秘的なもので見るものを魅了するぐらい見入ってしまう。TSUTAYAでレンタルDVDで視聴してみて下さい。
◎スチュワーデス物語…放送時間:1983年10月18日~1984年3月27日
放送日時:火曜日(20:00~20:54)
原作:深田祐介
脚本:増村保造
主題歌:麻倉未希「WHAT A FEELING(フラッシュダンス)」
放送局:TBS
出演:堀ちえみ、風間杜夫、片平なぎさ…

2014年8月15日 (金)

●「かぐや姫」のモデルは実は「聖母マリア」だった…!!

《聖母マリアの被昇天》…アントワープ大聖堂(聖母大聖堂)-ルーベンス作/1625-26《かぐや姫の物語》…高畑勲監督/スタジオジブリ/2013年
◎日本の昔話に「竹取物語」という話しがある。実は以外と「かぐや姫」と「聖母マリア」には、共通点が多い事に驚く。まずは「竹取物語」だが、あらすじとしては、たくさんの男性からプロポーズされるのだが、すべて断って独身を通した。そして、最後は満月の日に天に昇ってしまう。この日付が8月15日。一方、「聖母マリア」だが男性との介入はなく単身であったマリアは聖霊によって神の子(イエス・キリスト)を宿す。後にマリアにはダビデの末裔であるヨセフと大天使ガブリエルの導きにより結婚することとなる。マリアの最後は大天使ミカエルとイエス、12使徒に囲まれ魂と肉体は天使たちにより天へと「被昇天」していく。この被昇天の日付も8月15日と共通している。*詳しくはカテゴリー「聖母マリアの伝説-聖母被昇天」を参照の事。ペルシャでは聖母マリアのことを「光り輝く姫」と呼んでいた。そのネストリウスのキリスト教は中国に入り「景教」と呼ばれていましたが、「景」という字は「光り輝く」という意味です。これが東に移っていく途中、ペルシャ辺りで、マリア様が天にあげられた8月15日に、亡くなった人々を天国に連れて行ってもらおうと死者の霊魂を一つの灯りに託して川に流す事が行われました。それは日本まで入ってきて、9世紀、弘法大師「空海」が中国(当時は唐)に渡り、景教のお寺でも学んでいた。一説に空海あたりがマリア様の被昇天を天にあげられたということを日本流に伝えるためにそれが末永く語り継がれるように、「かぐや姫」という物語を創作したのではないかと思う。かぐや姫は、何百年に渡って語り継がれてきました。実は、そこに聖母の被昇天への信仰が込められていたのです。先祖の人々は、かぐや姫が聖母とは知らずに話しの中にそれをしっかり刻み込んで伝えてきました。聖母への憧れは形を変え日本で生き続けてきたのです。もう一度「竹取物語」を呼んでみてください。聖母マリアがちりばめられているのに気づくはずです。

2014年8月14日 (木)

●黒い聖母の謎…!!

《ヤスナ・グラの聖母》…ロシアの画家/14世紀/テンペラ/チェストホーブア(ポーランド)、ヤスナ・グラ修道院-1382年、エルサレムから、クラクフ郊外にあるこの修道院にもたらされたイコンとされる。修道院が火災にむわれた際に、煤で顔が黒くなったことから、「黒い聖母」と呼ばれている。ポーランドでは、カトリックと正教会、どちらの信徒からも崇敬され、8月15日、聖母被昇天の日には全土から信徒が訪れる。《グアダルーペの聖母》…作者不詳/グアダルーペ(スペイン)、サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王位修道院-13世紀後半、羊飼いのヒル・コルデロがグアダルーペの河岸で聖母像を発見したのを契機に、スペイン国王が礼拝堂を建設。この聖母像が褐色なのは、現地で農作業に従事する人々の肌が、日焼けして褐色であることに配慮したためではないかといわれる。福音書記者ルカが、この像を彫ったとの伝説もある。スペインの守護聖母として崇敬されている。
◎[大地の豊饒を暗示する色を聖母が取り込んだ?]…
・「黒い聖母崇拝の博物誌」の著者、イアン・ベックの調べ。によれば、世界中に黒い聖母と呼ばれるものが、約460体も存在するという。聖母は、神聖さや純潔を表す「白」こそ相性がいい。白い処女女性そのものでさえある。だからこそ人々は、黒い聖母に疑問を投げかけ、好奇のまなざしを向けるだろう。処女マリアと、死や悪魔を思わせる「黒」という組み合わせが、しっくりこないかもしれない。黒い聖母が存在する理由については、今も諸説ふんぷんである。たとえば、ポーランドのヤスナ・グラのイコン(聖像)は、火災や積年のろうそくの煤で黒くなったのだし、スペインのモンセラートの聖母は、もともと素材の木が黒いだけだ、という人もいる。また、『旧約聖書』のソロモンの「雅歌」には、こんな一節がある。「イスラエルの娘たちよ。私は黒いけれど美しい、ケダルの天幕のように、ソロモンの幕屋のように」ここから黒い聖母信仰が起こったと指摘する人もいる。この歌によれば、聖母が黒いのは日焼けのせいだという。つまり、日焼けした白人という認識だろうか。確かに、マリアの育ったイスラエルでは、それも自然なことだろう。そもそもも金髪碧眼で、透けるような美肌のマリア像があったとしたら、そのほうがよほど現実離れしている。思うに、スペインのグアダルーペや、南イタリアに数ある黒い聖母が、今も熱狂的に現地で支持されているのは、小麦色の肌をした地元の人々にとっては、そのほうがずっと親しみやすく、自然に映るからではなかろうか。別の説によれば、十字軍の遠征以後に、黒い聖母の数が急増していることから、遠征先である北アフリカから、イシスやアルテミスといった黒い女神像を持ち帰ったのが原因だという。この指摘は、うなずけるものがある。その証拠に、パリのサン・ジェルマン教会に安置された聖母は、実はイシスだったと発覚した16世紀に、撤去されたそうだ。
◎黒に隠されたもう一つの意味……
・また、黒い色を積極的に解釈する説にも納得できる。黒が喪に服す色であることから、黒い聖母を「悲しみの聖母」の変形とする説だ。修道士の僧衣のなかには黒いものもあるが、それはイエスの喪に服していることを示す。錬金術の世界でも、黒は死だけでなく、再生を意味する。何より、地母神たる女神たちにとっては、黒は大地の色そのものだ。黒い肥沃な大地は、地上で死した命を迎え、そこから新たな豊饒を生み出す。死と再生をともに包含する黒という色は、まさに聖母マリアにふさわしい色かもしれない。

2014年6月28日 (土)

●「旧約聖書」によるノアの方舟と「新約聖書」-「マタイによる福音書」にみるノアの方舟…!!

◎「ノアの方舟」…作者不詳?「最後の審判」…17世紀にピーテル・パウル・ルーベンスによって描かれた「最後の審判」
◎旧約聖書
[エピソード4]=「祝福と契約」……
創世記9.1-17
・神はノアと彼の息子たちを祝福して言われた。「産めよ、増えよ、地に満ちよ。地のすべての獣と空のすべての鳥は、地を這うすべてのものと海のすべての魚と共に、あなたたちの前に恐れおののき、あなたたちの手にゆだねられる。動いている命あるものは、すべてあなたたちの食糧とするがよい。わたしはこれらすべてのものを、青草と同じようにあなたたちに与える。ただし、肉は命である血を含んだまま食べてはならない。また、あなたたちの命である血が流された場合、わたしは賠償を要求する。いかなる獣からも要求する。人間どうしの血については、人間から人間の命を賠償として要求する。人の血を流す者は、人によって自分の血を流される。人は神にかたどって造られたからだ。あなたたちは産めよ、増えよ地に群がり、地に増えよ。」神はノアと彼の息子たちに言われた。「わたしは、あなたたちと、そして後に続く子孫と、契約を立てる。あなたたちと共にいるすべての生き物、またあなたたちと共にいる鳥や家畜や地のすべての獣など、箱舟から出たすべてのもののみならず、地のすべての獣と契約を立てる。わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない。」更に神は言われた。「あなたたちならびにあなたたちと共にいるすべての生き物と、代々とこしえにわたしが立てる契約のしるしはこれである。すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。わたしが地の上に雲を湧き起こらせ、雲の中に虹が現れると、わたしは、わたしとあなたたちならびにすべての生き物、すべて肉なるものとの間に立てた契約に心を留める。水が洪水となって、肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない。雲の中に虹が現れると、わたしはそれを見て、神と地上のすべての肉なるものとの間に立てた永遠の契約に心を留める。」神はノアに言われた「これが、わたしと地上のすべて肉なるものとの間に立てた契約のしるしである。」
◎「マタイによる福音書」にみるノアの方舟……
24章36-44[目を覚ましていなさい]-「その日、その時は、誰も知らない。天使たちも子も知らない。ただ、父だけがご存じである。人の子が来るのは、ノアの時と同じだからである。洪水になる前は、ノアが箱舟に入るその日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていた。そして、洪水が襲って来て一人残らずさらうまで、何も気づかなかった。人の子が来る場合も、このようである。その時、畑に二人の男がいれば、一人は連れて行かれ、もう一人は残される。二人の女が臼をひいていれば、一人は連れて行かれ、もう一人は残される。だから、目を覚ましていなさい。いつの日、自分の主が帰って来られるのか、あなたがたには分からないからである。このことをわきまえていなさい。家の主人は、泥棒が夜のいつごろやって来るかを知っていたら、目を覚ましていて、みすみす自分の家に押し入らせはしないだろう。だから、あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時に来るからである。

2014年6月22日 (日)

●「ノアの方舟」と旧約聖書のあらすじ…!!

◎「大洪水風景」…19世紀、テオドール・ジェリコー画(ルーブル美術館)より。◎「箱舟の出発」…16世紀イタリアの油彩画。
◎旧約聖書
[エピソード3]=「新世界を導く大洪水」……
創世記8.1-22
神は、ノアと彼と共に箱舟にいたすべての獣とすべての家畜を御心に留め、地の上に風を吹かせられたので、水が減り始めた。また、深淵の源と天の窓が閉じられたので、天からの雨は降りやみ、水は地上からひいて行った。百五十日の後には水が減って、第七の月の十七日に箱舟はアララト山の上に止まった。水はますます減って第十の月になり、第十の月の一日には山々の頂きが現れた。四十日たって、ノアは自分が造った箱舟の窓を開き、烏を話した。烏は飛び立ったが、地上の水が乾くのを待って、出たり入ったりした。ノアは鳩を彼のもとから放して、地の面から水がひいたかどうかを確かめようとした。しかし、鳩は止まる所が見つからなかったので、箱舟のノアのもとに帰って来た。水がまだ全地の面を覆っていたからである。ノアは手を差し伸べて鳩を捕らえ、箱舟の自分のもとに戻した。更に七日待って、彼は再び鳩を箱舟から放した。鳩は夕方になってノアのもとに帰って来た。見よ、鳩はくちばしにオリーブの葉をくわえていた。ノアは水が地上からひいたことを知った。彼は更に七日待って、鳩を放した。鳩はもはやノアのもとに帰って来なかった。ノアが六百一歳のとき、最初の月の一日に、地上の水は乾いていた。第二の月の二十七日になると、地はすっかり乾いた。神はノアに仰せになった。「さあ、あなたもあなたの妻も、息子も嫁も、皆一緒に箱舟から出なさい。すべて肉なるもののうちからあなたのもとに来たすべての動物、鳥も家畜も地を這うものも一緒に連れ出し、地に群がり、地上で子を産み、増えるようにしなさい。」そこで、ノアは息子や妻や嫁と共に外へ出た。獣、這うもの、鳥、地に群がるもの、それぞれすべて箱舟から出た。ノアは主のために祭壇を築いた。そしてすべての清い家畜と清い鳥のうちから取り、焼き尽くす捧げ物として祭壇の上にささげた。主は宥めの香りをかいで、御心に言われた。「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。わたしは、この度したように生き物をことごとく打つことは、二度とすまい。地の続くかぎり、種蒔きも刈り入れも寒さも暑さも、夏も冬も昼も夜も、やむことはない。」

2014年6月14日 (土)

●映画「ノア約束の舟」=映画「天地創造」…旧約聖書の世界驚異と感動の大スペクタクル!!

◎映画「ノア約束の舟」…監督・制作・脚本/ダーレン・アロノフスキー:出演/ラッセル・クロウ:ジェニファー・コネリー他…◎映画「天地創造」よりノアの箱舟…監督・出演/ジョン・ヒューストン…旧約聖書のエピソードをジョン・ヒューストン自ら映画化し話題を呼んだ。ノアの箱舟など七つのエピソードで描く。
◎映画「天地創造」よりノアの箱舟。…洪水のシーンの制作費だけとっても一本の映画が作れる程のスケールである。当時75億円。1966年イタリア/アメリカ合作
◎旧約聖書
[エピソード2]=「大洪水」……
創世記-7.1-24
主はノアに言われた。「さあ、あなたとあなたの家族は皆、箱舟に入りなさい。この世代の中であなただけはわたしに従う人だと、わたしは認めている。あなたは清い動物をすべて七つがいずつ取り、また、清くない動物をすべて一つがいずつ取りなさい。空の鳥も七つがい取りなさい。全地の面に子孫が生き続けるように。七日の後、わたしは四十日四十夜地上に雨を降らせ、わたしが造ったすべての生き物を地の面からぬぐい去ることにした。」ノアは、すべて主が命じられたとおりにした。ノアが六百歳のとき、洪水が地上に起こり、水が地の上にみなぎった。ノアは妻子や娘たちと共に洪水を免れようと箱舟に入った。清い動物も清くない動物も、鳥も地を這うものもすべて、二つずつ箱舟のノアのもとに来た。それは神がノアに命じられたとおりに、雄と雌であった。七日が過ぎて、洪水が地上に起こった。ノアの生涯の第六百年、第二の月の十七日、この日、大いなる深淵の源がことごとく裂け、天の窓が開かれた。雨が四十日四十夜地上に降り続いたが、まさにこの日、ノアも、息子のセム、ハム、ヤフェト、ノアの妻、この三人の嫁たちも、箱舟に入った。彼らと共にそれぞれの獣、それぞれの家畜、それぞれの地を這うもの、それぞれの鳥、小鳥や翼のあるものすべて、命の霊をもつ肉なるものは、二つずつノアのもとに来て箱舟に入った。神が命じられたとおりに、すべて肉なるものの雄と雌とが来た。主は、ノアの後ろで戸を閉ざされた。洪水は四十日間地上を覆った。水は次第に増して箱舟を押し上げ、箱舟は大地を離れて浮かんだ。水は勢力を増し、地の上に大いにみなぎり、箱舟は水の面を漂った。水はますます勢いを加えて地上にみなぎり、およそ天の下にある高い山はすべて覆われた。水は勢いを増して更にその上十五アンマに達し、山々を覆った。地上で動いていた肉なるものはすべて、鳥も家畜も獣も地に群がり這うものも人も、ことごとく息絶えた。乾いた地のすべてのもののうち、その鼻に命の息と霊のあるものはことごとく死んだ。地の面にいた生き物はすべて、人をはじめ、家畜、這うもの、空の鳥に至るまでぬぐい去られた。彼らは大地からぬぐい去られ、ノアと、彼と共に箱舟にいたものだけが残った。水は百五十日の間、地上で勢いを失わなかった。

2014年6月 8日 (日)

●映画「ノア約束の舟」…<世界のはじまり>を背負った男が方舟に乗せたのは希望か?絶望か?

◎映画「ノア約束の舟」…出演/ノア-(ラッセル・クロウ),ノアの妻-(ジェニファー・コネリー,ノアの養女-(エマ・ワトソン)◎希望を託した方舟
†今現在、この世は混沌とした、人類かつてない異常気象や経済の不安定、さらにテロや毎日戦争に怯えながら日々生活を送っている国々もある。そんな世界に私たちは日々生活している。今回、6/13日全国の映画館で「ノア約束の舟」が公開される。今何故、このタイミングなのか?何かのメッセージなのか?人類には、希望か?絶望か?……
ノアの方舟=映画「ノア約束の舟」……
◎映画「ノア約束の舟」あらすじ……
・ある夜、ノアは恐ろしい夢を見た。それは堕落した人間たちを一掃するため、地上を大洪水が飲み込むというものだった。これを神の啓示と悟ったノアは、妻と三人の息子たち、それに変蛮に襲われ負傷しているところをノアに助けられ養女となったイラと共に、人間以外の生き物たちを守る箱舟の建設を開始する。やがて舟の完成が近づくと、どこからともなく現れた生き物たちが次々と舟に乗り込んでくる。そんな中、かつてノアの父を殺した宿敵トバル・カインが、舟を奪うべく群衆を率いて現れるが……
◎旧約聖書版あらすじ
[エピソード1]=「神と交わした約束」
創世記 6.1-22 洪水・さて、地上に人が増え始め、娘たちが生まれた。神の子らは、人の娘たちが美しいのを見て、おのおの選んだ者を妻にした。主は言われた。「わたしの霊は人の中に永久にとどまるべきではない。人は肉にすぎないのだから。」こうして、人の一生は百二十年となった。当時もその後も、地上にはネフィリムがいた。これは、神の子らが人の娘たちのところに入って産ませた者であり、大昔の名高い英雄たちであった。主は、地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計らっているのを御覧になって、地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた。主は言われた。「わたしは人を創造したが、これを地上からぬぐい去ろう。人だけでなく、家畜も這うものも空の鳥も。わたしはこれらを造ったことを後悔する。」しかし、ノアは主の好意を得た。これはノアの物語である。その世代の中で、ノアは神に従う無垢な人であった。ノアは神と共に歩んだ。ノアには三人の息子、セム、ハム、ヤフェトが生まれた。この地は神の前に堕落し、不法に満ちていた。神は地を御覧になった。見よ、それは堕落し、すべて肉なる者はこの地で堕落の道を歩んでいた。神はノアに言われた。「すべて肉なるものを終わらせる時がわたしの前に来ている。彼らのゆえに不法が地に満ちている。見よ、わたしは地もろとも彼らを滅ぼす。あなたはゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟には小部屋を造り、内側にも外側にもタールを塗りなさい。次のようにしてそれを造りなさい。箱舟の長さを三百アンマ、幅を五十アンマ、高さを三十アンマにし、箱舟に明かり取りを造り、上から一アンマにして、それを仕上げなさい。箱舟の側面には戸口を造りなさい。また、一階と二階と三階を造りなさい。見よ、わたしは地上に洪水をもたらし、命の霊をもつ、すべて肉なるものを天の下から滅ぼす。地上のすべてのものは息絶える。わたしはあなたと契約を立てる。あなたは妻子や嫁たちと共に箱舟に入りなさい。また、すべて命あるもの、すべて肉なるものから、二つずつ箱舟に連れて入り、あなたと共に生き延びるようにしなさい。それらは、雄と雌でなければならない。それぞれの鳥、それぞれの家畜、それぞれの地を這うものが、二つずつあなたのところに来て、生き延びるようにしなさい。更に、食べられる物はすべてあなたのところに集め、あなたと彼らの食糧としなさい。」ノアは、すべて神が命じられたとおりに果たした。

2014年5月24日 (土)

●ルルドの泉の奇跡と腐敗しないべルナデッドの遺体?…!!

◎ルルドの泉の周辺◎腐敗しないべルナデッドの遺体
◎ルルドの泉が起こす奇跡的治癒とは?…
・聖母マリアが現れ、いくつもの奇跡が起きたことで世界的に有名になったキリスト教の聖地(ルルド)。市内のサンクチュエール(聖域)内にある泉の水を飲むと病が治るといわれ、このルルドの泉で病気が治ったと自己申告した人は、1862年以来6,700人。2009年3月現在、カトリック教会が詳細に検証した結果、「奇跡」として公認している事例は全部で68件にも及ぶ。今も尚、年間600万人もの人々が奇跡を求め、この地に祈りにやってくるそうです。
◎腐敗しないべルナデッドの遺体?…
・彼女は持病の喘息の悪化により、1879年4月16日に35歳の若さで永眠となる。その後、遺体は二重の棺におさめられ、べルナデッドが在籍していたヌヴェール愛徳修道会の庭にある地下納骨堂に安置されることになった。そして死後30年経った1909年以降、列聖調査のために何度か開けて腐敗の有無が調べられたが、その兆候はなかったことから奇跡が起きたのだとされた。聖人としてふさわしいかどうか調べるために行われる調査は遺体に腐敗の兆候がないことで聖人の証とされ、1933年列聖された。ところが、遺体が腐敗しないということ自体は、ある条件が揃うと起こり得る現象だということがわかっている。それは「死蝋化現象」というもの。この現象では外気から遮断され、湿潤で、低温の環境という条件の中、安置された遺体の脂肪分がロウのようになることで腐敗をまぬがれる。実際遺体も、地下に安置されていたことから低温で外気から遮断されるという条件は満たしていた。さらに1909年の調査に立ち合った二人の医師が残した記録によると、べルナデッドの遺体が身につけていた修道服は「湿っぽかった」という。死蝋化の条件は全て満たしていた可能性は高い。しかし、死蝋化していても、何度も開封されるなど、条件が破られれば腐敗は徐々に始まってしまうべルナデッドの遺体もその例外ではなかった。何度も棺を開けて調べたことから、1925年についに腐敗が始まってしまった。そのため現在では遺体の顔と手の上に、生前の姿をもとに作られた精巧なロウのマスクが被せられている。彼女の遺体はマスクまで被されながら、今も尚、世界中の多くの信者や人々が訪れる。

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