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2013年8月 9日 (金)

●神の子を宿した乙女『聖母マリアの伝説』!!…マリアの結婚③

《マリアの結婚》…ピエトロ・ペルジーノ/1500-1504年/カエン(フランス)―神殿の祭司長へのお告げによって、町の独身男のなかから、やもめのヨセフがマリアの夫として選ばれる。先妻の子供たちを連れたヨセフはかなり高齢で、彼が手にする杖からは、奇跡によって花が咲いている。作者のペルジーノは、ルネサンスの巨匠ラファエッロの師。この絵そっくりのラファエッロ作品が、ブレラ美術館に残っている。《受胎告知》…カルロ・クリヴェッリ/1486年/ロンドン(イギリス)―マリアのもとに懐妊を告げにいこうとする天使に付き添うのは、イタリア、マルケ州アスコリ・ピチェーノの守護聖人である聖エミディオス。雲のような輪には天使が舞い、そこからマリアの後頭部に向けて、光線がまっすぐに伸びる。この光景はUFOを描いたものではないかというマニアもいる。画面右の孔雀は、不死と教会のシンボル。
◎マリアの結婚―[神託により、やもめの大工ヨセフを夫とする]
†外典『ヤコブ原福音書』を読むかぎり、マリアの結婚は、現代人の目にはかなり痛ましい。あるとき、祭司長のもとに天使が現れ、国の独身男たちに杖を持参させ、そこに神のしるしが現れた者を配偶者とせよ、と告げる。同外典によれば、このときマリアはわずか12歳だ。集まった男たちのなかに、前妻との間に6人の子があるやもめ、ヨセフがいた。彼が神殿に入ると、その杖から白鳩が飛び出す(別の外典では花が咲く)という奇跡が起こり、祭司長はそこに神のしるしを見る。だがヨセフは、あまりの年齢差にとまどい、少女をめとれば笑われると、一度は辞退した。しかし、神のお告げは絶対である。彼は説得され、結婚を受け入れた。ヨセフは、一介の大工だ。「マタイによる福音書」の記者は、そのことに不服なのか、実は彼がダビデ王とソロモン王の遠い子孫だという記述を加えている。だが、妻マリアが聖霊によってイエスを宿したなら、ヨセフの血をひいてはいないのだから、その由緒正しい経歴は意味をなさない。

◎受胎告知に困惑するマリア
†そして、いよいよ『聖書』最大のミステリーが起こる。ヨセフは結婚後、実に2年間も仕事で家を空ける。「ルカによる福音書」によれば、このときマリアのもとに大天使ガブリエルが現れ、こう告げる。「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられる」困惑するマリアに 、「あなたはみごもって、男の子を産む」と、大天使がたたみかけるので、マリアはむきになり、「どうしてそのようなことがありましょうか。私は男の人を知りませんのに」と、反駁する。すると天使は、「聖霊が降るのだ」と説き、「神にできないことは何ひとつない」と、念を押す。告知の場所は書物によりまちまちで、たとえば『ヤコブ原福音書』は、マリアが織物の手を休め、水をくみに出たところで天使の声を聞き、家に戻って織物を始めると、天使が目の前に立っていたと伝える。また、聖ヒエロ二ムス(340年頃~420年)が、「若い男の姿をした天使が訪れたので、マリアが怯えた」と書いたことから、両性具有であるはずの天使が、優美な衣装をつけた若い男性として描かれる傾向が定着した。「マタイによる福音書」のヨセフは、ひそかに離縁を決意するが、天使が夢に現れ、これを阻止する。これに対して、『ヤコブ原福音書』は、妻を疑うどころか、自分の不行き届きから、うぶなマリアが不埒な男に乱暴されたのではと、罪の意識に苛まれる老ヨセフの姿を描いている。

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